「手話学習者交流会①」を開催しました(令和7年度)

手話を学んだ経験のある方を対象とした手話通訳者を交えての交流会を開催しました。

内容

前半は、受講者からの手話にまつわる疑問や質問に回答しました。

＜手話の単語や表現についての質問と回答＞

• （質問）右から左に行く動きを間違えて左右逆に表現しても、話の流れで理解してもらえるか？又、前まわし、後ろまわしについても同様に
  
  （回答）自分から見た手話と相手から見た手話は、左右は逆になる。左か右か？よりも、今いる場所、向かう方向などに状況により、何を指すか？を考え表現したほうが伝わりやすい。巻く方向や向きも同様。表現が足りない場合は、口語や表情で補足する。
  
• （質問）「救急車」と「拍手」の違い
  
  （回答）「救急車」と「拍手」の違いは、手の位置、表情など。
  「救急車」という単語を使う状況は、「救急車」という単語を表現するよりも、（救急車が来るから）「待て」、「止まれ」などをすぐに伝えなければならない場面が多い。文脈や組み合わせによっても相手に伝わりやすくなる。
  
  
• （質問）「ありがとう」「ごめんなさい」の手話の単語表現の違い
  
  （回答）手話の動作を丁寧に行う場合は全く違う表現でも、日常会話の中、短い時間で表現する場合、手話は省略されている。手話を読みとることに慣れていない人がそれを判別することは難しい。
  
• （質問）「カレンダー」と「アメリカ」の手話の単語表現の違い
  
  （回答）上記同様。カレンダーは、日めくりカレンダーをめくる動作をイメージする。手話を読み取る目を養うことが必要。
  
• （質問）「紅葉」の手話の単語表現。
  
  （回答）紅葉（もみじ）の木なのか、葉なのか、紅葉（こうよう）している風景なのか、など伝えたい内容により「紅葉」の手話の表現は変わる。
  
• （質問）「修理」の手話の単語表現。
  
  （回答）何を？どのように修理するかで変わるが、一般的には「直す」という手話を使う。
  
• （質問）「保証期間」の手話の単語表現。
  
  （回答）まもる+期間で表現する。
  
• （質問）「しばらく待って」の手話について
  
  （回答）どのくらい待つかが不明確なので、具体的な待つ期間を手話で伝えられない場合は、「一週間後に来てください」等メモに書いて渡すと良い。（店舗で客に説明する場合など）

補足説明

• 手話の習得度に合わせたレベルの日本語に置き換えること。例えば、手話の習得度が３歳の子供程度の場合、３歳児が話す日本語を手話に置き換える。子供が大人に説明するイメージ。（子供の言葉がつたなくても大人は読み取ってくれる。）

＜学習方法についての回答＞

• サークル等になかなか参加できない場合の学習法は、普段の生活に取り入れる。
• 普段の生活で手話に置き換えてみる。聴こえる人に対しても使ってみる。
• 手話奉仕員養成講座は、日常生活で必要な単語を500程度覚えるカリキュラムである。その為、仕事で活用するのは難しい。窓口での提出書類の確認などの場合、（ろう者を後から呼び止めるのは難しいので後で確認するのではなく）、提出時に確認事項をひとつずつ指差しして「OK（という動作）」で、確認すると良い。
• 日本語と手話を対で覚えるのは不要。表現方法が違うため。情報を映像化してから表現すると良い。

後半は、３グループに分かれ、「とる」「いく」の動詞を用いた文章を作成し手話で表現しました。

• 「とる」→　バッタをとる。ここにある帽子をとる。毛玉をとる。筆をとる。聞き取る。トンボを網でとる。資格をとる。
• 「いく」→　息子が学校に行く。父が車で会社に行く。大阪万博に行く。お昼ご飯にいく。私は会社に歩いていく。

補足説明

• 「一緒」は、誰が？誰と？を（指さし等で）明確に表現すると良い。
• 手話の語順は、口語の語順におきかえて考えると良い。

終了後のアンケートより「感想」

• 楽しかったです。手話を難しく考えていたようです。これからも手話の勉強を続けていこうと思います。ありがとうございました。
• ためになる話が聞けました。また時間があったら参加したいです。
• 楽しかったです。自分の普段の生活に手話をつけてみる、を、実践しようと思います。
• 今回も、自分とは違う視点での手話表現がでてきて気づかされました。楽しかったです。また来たいです。
• あっという間に終わった感じです。やっぱり手話はむずかしいと感じました。勉強する時間をみつけて学びたいと思います。
• 前回、映像化のお話を伺い、なるほど！！と思いながらも、やることが頭から離れがちでした。あらためて映像としてわかりすく端的に伝えることの大切さを一番に考えてやってみたいと思います。

以前の「手話学習交流会」の様子

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次回開催日

次回は、令和７年７月１日（火）13:30~15:00　です。
開催日の一か月前からこちらのフォームにて申込受付を開始します。
https://forms.gle/7VBnQgdMSFJoa2TZ8